(オフィス事務)上司がちゃんと指示を出さないのに怒り出す!?
私が一般事務員として働いていた時の男性上司の話です。
その上司は50代の男性で、全ての部署を統括する役職でした。
私は総務課に所属していたので、お茶汲みやコピー、スケジュール管理などでその上司と接することが多かったのです。
優秀な上司ではあったのですが、人格に少々クセがあり、一言多かったり、遠回しに嫌味を言ってくるような人でした。
他の社員からも嫌われていましたが、やはり役職が上なので、言い返せる人はおらず、皆愛想笑いを浮かべて対応していたようでした。
ある日、その上司に資料作成を頼まれました。
もちろん仕事なので、手を抜くことはなく、きちんとした資料を決められた期限より早く提出しました。
「君、ここ大事な部分が抜けているじゃないか」
私の資料を見るなり、フロア中に響き渡るような声で上司は言いました。
「えっ、でもこの部分のことは何も言われていなかったと思うのですが…」
「何言ってるの、こんなこと言われなくてもわかるでしょ。常識ってもんが君にはないねぇ」
皆の前で言われて、私は泣き出しそうでした。
サッと資料を受け取り、トイレに行って少しだけ泣いてしまいました。
その後、何事もなかったかのように取り繕い、席に戻ったのですが、心の中はぐちゃぐちゃです。
その時、近くで見ていた先輩が声をかけてくれました。
「大丈夫?分からないことがあれば言ってね」
その言葉にまた泣きそうになりましたが、ぐっと堪えて、聞いてみました。
「先輩は上司と接する時、何か気をつけていることはありますか?」
その先輩は数少ない、嫌な上司のお気に入りだったのです。
「そうだねぇ、私はもう長く勤めてて、上司の性格も掴めているからね。まぁ、あの人はこちらから聞かない限り、教えてくれない人だから、小さなことでも全部確認するようにはしてるかな」
その言葉に、私はハッとしました。
確かに、皆に聞こえるような大声で怒られたことに対する怒りはあるけれど、私の確認不足は否めません。
苦手すぎて早く会話を終わらせたいと思うばかりに、確認すべきことができていなかったかもと反省しました。
そこから、少しだけ気持ちの持ち方を変えてみることにしました。
嫌い、苦手だと思いすぎていては、知らず知らずのうちに相手にそれが伝わっているのかもしれない。
できるだけ和やかな会話ができるよう、笑顔を心がけてみようと決心したのです。
そして、再び資料作成を頼まれる日がありました。
私は、どこまでのことを資料に反映させるのか、この部分はどうするのか、どういった時に使う資料なのかなどを事細かに尋ねました。
すると、上司は意外にも聞いたことに対して丁寧に教えてくれました。
完成させた資料を見ても、特に難癖をつけられることはありませんでした。
まぁ、「この字は漢字がいい、平仮名がいい」などの小さな注文はありましたが、前回のことを思えば何の問題もありません。
それからその上司が少しだけ苦手ではなくなりました。
その後も、名前を呼ばれると緊張はしていましたが、「笑顔」と「きちんと聞くこと」を心がけるようにしました。
人は鏡だとよく言いますが、まさにその通りだと思います。私の姿勢によって、上司の対応も少し変わったと思っています。
先輩にも、「前はあの上司と話す時、顔こわばってたよ」と言われました。
自分の考え方を変えて、対応してみると相手にも変化があるというのは驚きでした。
もちろん、全ての人にこのことが当てはまるわけではないですが、人間関係が良好になる可能性はあると思います。
それからも、苦手な人に出会ったときはこの時のことを思い出すようにしています。
*お寄せいただいた体験談をそのまま掲載しています。
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